2016年に発表110年を迎える夏目漱石の小説「坊っちゃん」の関連資料17点の展示が、愛媛県松山市道後公園の子規記念博物館の常設展示室で始まった。来年5月下旬まで。
 「坊っちゃん」は、漱石が教壇に立った愛媛県尋常中学校での体験を基に書いたとされる中編小説。1906年、高浜虚子が発行していた「ホトトギス」第9巻第7号の巻末付録として発表された。
 07年に春陽堂から発行された漱石の小説集「鶉籠(うずらかご)」初版本も展示。「坊っちゃん」が初めて書籍化されたもので、「草枕」「二百十日」とともに収録されている。
 また、62年に愛媛新聞夕刊で「坊っちゃん」を掲載した際、松山時代の漱石の教え子桜井忠温が描き下ろした挿絵原画の一部も公開。鉛筆で下書きした跡が残っており、物語に合う構図や人物の表情を練った様子がうかがえる。